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障害を持つお子さんの支援現場の課題を考える

2019/01/17

現在、発達障害などの何らかの支援が必要なお子さんの数は年々増え続けていて、小中学校では平均6.5%、つまりクラスに2〜3名の子供が支援を必要としている。加えて、いわゆるグレーゾンやボーダーと言われるような違和感を感じる子どもまで含めると10%程度とも言われている。

一方で、教職員の中で特別支援教諭免許を所持している、または特別支援の専門的知識がある先生は100人に5名といわれ、そのうち3名は特別支援学校に配置されるので、通常学級の小中学校には100人に2名(=50名に1人)しかいない。小中学校は平均的に20〜30名程度の教員で構成されているので、支援の知識がある先生が一人も存在しないという学校も多い。

このギャップは学校現場においては非常に深刻である。子どもにとっても、保護者にとっても、教員にとっても厳しい現実。
子どもには適切な療育や進路指導が提供できない。保護者には相談できる相手がいない。支援の専門的知識を持たない先生たちが、障害をもつお子さんへの療育や保護者のフォローなど求められるわけだが、もちろん適切に対応できない。

他にも構造的な問題は多い。小中学校では担任が毎年変わるなど、継続して一人の子どもの成長を支援できる仕組みがなかったり、放課後等デイサービスなどの民間サービスともっと情報共有すべきなのに学校側にその認識が全くなかったり。

いずれにしても、専門性をもった人材の育成を急がなければならないことは間違いない。

当社は「放課後等デイサービス」を運営する中で、お子さんの千差万別の課題や、保護者さんの深刻な悩みに多く直面する。
それらに対して、一つ一つ真剣に向き合っていくわけだが、そこで最も考えされられるのは、上記のような学校現場における構造的問題である。

まさに政治や行政が急ピッチで取り組むべき課題である。
しかし、これらの問題を現場の状況と構造的課題の両面からちゃんと理解している政治家や行政マンが少ないのもまた現実。

先日、特別支援教育の専門家である山内康彦先生をお招きし、「保護者のための特別支援教育講演会」を主催させていただき、200名を超える方にご来場いただいた。
熱のこもったお話に涙を流して聞き入る保護者さんも多く、開催できて本当に良かった。

障害を持つお子さんに対していかに適切にアプローチし、質の高い療育を提供するということは、これから社会全体で取り組んでいかなければならない課題。
政治においても経営においても、自分のライフワークの一つとして取り組んでいきたいと思う。

 

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