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雇用創出を喚起するために、企業にどのような力学を働かせるか?
2017/01/12
アベノミクスで言われる、「法人税率を下げるから、企業は雇用を増やし、従業員の給与を上げろ」という政策は、いろんな理由で制度設計として間違っている。「税金を減らすから、その浮いた分を人件費へ回せ」と言いたくなる気持ちはわかるけども、残念ながらそれで雇用や人材への投資を増やすという力学は働きません。
なぜなら・・・
会計を知っている人ならわかるが、法人税は純利益に対して課税されるもので、人件費は営業利益よりも上で計算される販売管理費に計上されるもの。銀行や投資先から短期的な利益を評価されてしまう経営現場においては「人件費=コスト」とみなされる。利益は「売上−コスト」だから、そりゃコストはもちろん増やさない方が良いし、そのほうが短期的には利益もキャッシュも残るから、固定費と捉えられる人件費は増やさない方が金融機関や投資家とのコミュニケーションは円滑になり、財務戦略において次の投資資金を調達しやすくなるのが悲しい現実。
このことを考えると、むしろ法人税を高くしたほうが、「税金払うくらいなら人材に投資しよう」となる。法人税を下げると内部留保を増やそうとなるのが普通。嗚呼、なんたるパラドックスか。
加えて、経営や事業をやったことがある人なら誰もが感じることだが、そもそも人材への投資は法人税率に影響されてやるもんではない。新規雇用や給与水準の向上というのは、もっと長期的かつ複合的な視点での経営課題であるし、「採用→育成→評価→キャリアパス」は人事戦略の制度設計においては一体的に捉えてやるもんだから。経営の変化対応力を上げるために、人件費の一部をアルバイトや契約社員や業務委託などの変動費に近い構造にしようとすることや、人件費の安い海外へコスト移転するなどは経営努力の一環であって、それで責められるのはかわいそうと言わざるを得ない。
国内の雇用を増やし、給与水準を上げたいのであれば、人材投資に注力する企業の税率を下げるほうが、メッセージとしては良い。例えば、売上総利益に対する人件費比率の高い企業や、雇用人数の多い企業に段階的な優遇税率を導入するとか融資の保障制度を拡大するとかのほうが、人材への投資に対してよほど良い方向へ力学が働く。
そもそも企業の使命の一つは、付加価値を創出し、雇用を生み出し、人々の生活を豊かにすることなんだから、人件費比率や高いことや人材教育に投資するってことはそれだけでも素晴らしいこと。それに、人をたくさん雇用するということは所得税をより多く支払うということでもあるわけだし。
経営が傾いたときに、外から経営者を引っ張ってきて、リストラで人員削減して、今まで積み重ねた技術を不採算だからと言って売っぱらって、短期的にV字回復させるようなプロ経営者をもてはやすような資本主義の仕組みは、社会の安定と豊かさを考えると本末転倒のような気がしてならない。
あと、雇用対策っていうとだいたい出てくるのが助成金。契約社員を正社員にしたらいくらとか、この制度を導入したらいくらとか。それはそれで良いんだけれども、「これを実施したら、いくら助成金をあげる」というより、「人材に投資したほうが、社会に貢献できる上にキャッシュも残る」といった力学が働く制度設計のほうが、起業家や経営者は力を発揮するはずである。
そんなことを考えながら、コツコツと雇用を拡大し、人材育成へ時間とお金を投資していこうと思います。
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