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【同一労働同一賃金と雇用の流動化を考える】
2019/11/28
来年(中小企業は再来年)から導入される同一労働同一賃金を語るときによく見かける、
「デキる人もデキない人も、経験も年齢も関係なく同じ仕事してたらパフォーマンスが違っても同じ給与っておかしい」
ってのは間違い。
簡単に言うと、非正規労働者の不合理な待遇差をやめましょうというものです。
非正規労働者の数は労働市場の約40%であり、この非正規の給与水準や待遇が上がっていく訳で、この取り組みは大切なこと。
しかし同一労働同一労働は、相互補完的政策として雇用の流動化とセットでやることで大きな効果を上げるものであり、そこを棚上げにすると労働市場を歪める可能性もある。
雇用の流動化をせずに同一労働同一賃金を実施する弊害として、企業側から見たら人件費や事務コストの増加が起こることによって、正社員の賃金や待遇が引き下げられたり、派遣労働者受け入れを減少させることも予測され、労働市場全体で見ると賃金水準は改善されない可能性もある。
政府も批判を恐れて全くやる気のない解雇規制の緩和による雇用の流動化を軸としたフレキシキュリティの労働市場改革こそが正真正銘の本丸。
もちろん、正社員だけの利益を代弁する労働組合がバックにいる民主系は大反対。
結果、労働市場を歪めて経済成長を阻害する。