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【中小企業を守るためにセーフティネット保証の対象業種を全業種に拡大せよ】
2020/03/12
新型コロナによる経済的ダメージは深刻で、事業者の経営危機は今後あらゆる業種に派生する。事業者(特に中小企業)に対しては、融資ではなく給付にまで踏み込んで経済対策を考えるべきであるが、現時点では融資でのセーフティネット保証の拡大が受け皿となっている。
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf
昨日政府から発表された緊急対応策の第二弾によって、これまでの民間銀行の融資にセーフティネット保証をつける制度に加えて、日本政策金融公庫の「新型コロナ感染症特別貸付(無利子無担保融資)」がスタートします。資金繰りの厳しい方は是非早めのご相談をお願いします。
セーフティネット保証は「4号」が業種指定無しで20%以上の売上減、「5号」が業種指定ありで5%以上の売上減が対象。本日、追加業種が発表されていますが、例えば、介護施設関係、障害福祉関係、鍼灸整骨などを含む医療系施設は対象から漏れてしまっています。
医療、介護、障害福祉関係は利用者に高齢者や障害者といった感染症における重篤化リスクの高い方が多く、すでに自主的な利用制限が広がっていて、事業者の負担が大きくなっている。
すべての業界に経済的ダメージが波及していると言っても過言ではない今、セーフティネット保証の業種指定は無意味。
加えて、要件に前年同月比マイナス5%(または20%)となっていて、前年の同月が売上が悪かった場合には当てはまらなくなってたり、成長のために4月から新卒人員増を計画している企業は、売上が横ばいでもコスト増になり、利益減となっていても当てはまらないケースも。経営現場への想像力がない。
そこで、セーフティネット保証については、
1、指定業種を撤廃して全業種対象へ
2、減収の計算方法を前年同期比売上だけでなく、算出期間の取り方を柔軟に対応し、利益ベースの減収も考慮する
3、リスケ実績がある事業者を排除しない
これらを早急に対応すべきである。
ちなみに経産省に要望した際にヒアリングすると、セーフティネット保証の指定業種は、管轄省庁に業界団体からの減収状況を報告させて、経産省が対象に含めるかどうかを検討するという流れで、官僚の事務コストが大きい。よって、全業種指定にしたほうがよほど効率的で恣意性も排除できる。