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説明会アンケートから受け止めた皆様の思い(幹事長ノート 2024.7.30)
2024/07/30
皆さん、日頃より日本維新の会の活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。
前回の幹事長ノートでは、通常国会終盤における、政治資金規正法改正案を巡っての我が党の対応について改めて振り返りました。そして去る6月26日には党内説明会を開催し、党所属の特別党員(国会議員、地方議員、選挙区支部長)の皆様に向けて詳細な説明を行いました。
本日は、説明会に参加された方々に行ったアンケート結果をご報告しながら、お寄せいただいたご意見について、私の考えを記しておきたいと思います。
説明会当日にはオンライン含めて400名を超える参加があり、今回のアンケートには137名の特別党員から回答がありました。まず、その概要と代表的なご意見をご紹介いたします。
説明会を開催したことの是非についてお尋ねしたところ、「とても良かった」「良かった」という評価が全体の9割を占めました。
その理由として、
「私たち地方議員までなかなか聞こえてこない、国会での議論の内容や経緯が聞けて良かった」
「報道を通さずに、地方議員が直接事実を知る機会を設定していただき、調整の困難と苦労、実際のリアルな駆け引きの難しさを知ることができたことは良かったと思う」
「高度な政治的判断が必要なことがらは、私は馬場代表はじめとする執行部の皆さんに今後も一任させて頂きます。これは組織のガバナンスとして当然のことだと思います。」
「皆、本音で議論をする事ができた。国会議員の皆さんに直接疑問を投げかける事ができた。」
「起きた課題、問題を隠さずオープンにし、マスコミさえいる中で忌憚ない意見が飛び交うことは素晴らしい。」
「正面から党幹部に意見をできるような場がこれまで無かったように思われる。他党においても(小規模政党を除いて)、そのような場はないと考えられ、今回の説明会では、批判を含めて活発な意見交換が行われ、維新らしくて非常によかったと思う。」
といった前向きなコメントをいただきました。
こうしたご意見に対して、
「国会の混乱を招いた運営について執行部は説明責任がある」
「党の方向性を大きく左右する問題に関しては全特別党員が意見を出し合う場があった方が良い」
「執行部のただの言い訳である」
といった手厳しい内容もございました。さらに特筆すべきものとしては、
「マスコミクローズとなった部分の議論がマスコミに漏れたことで、党内対立が激化しているような印象を与えたことは党としてマイナスだったと考える」
といった苦言を複数いただきました。ご案内のように、マスコミには冒頭のみ公開だったにも関わらず、馬場代表と吉村共同代表が激しく意見をたたかわせた模様が、一部メディアに詳細に報じられたことに起因しています。
情報が漏れ、一部メディアが党内対立のように報じたことは残念なことですが、不幸中の幸いというべきか、報じられた内容のやり取りの多くは懸念した程の「切り取り」はなく、それだけに、組織運営でよくありがちな「予定調和」ではなく、本気で改革の実現を目指すからこそ、真剣な意見を闘わせていることが伝わったと前向きに受け止めています。
我が党の対応に対する評価
次に、「説明会で情報共有を受けたうえで、今国会について我が党の対応に対する評価をお聞かせください」という質問に対する回答結果をご紹介します。
「評価する」(24.8%)、「一定評価する」(36.5%)が合わせて6割に達しました。「どちらでもない」(18.2%)という回答も少なくなく、「もう少し良い対応ができた」(18.2%)、「評価しない」(6.6%)とネガティブな反応も2割に及びました。
自由記述の中には、
「法案を前に進めるためにチャレンジ(修正協議)をしたことが、維新のあるべき姿。そして、結果は結果でうまくいかないこともあるので、それはそれとして受け止めている執行部は、正しいと思います」
「自分たちの非力だった部分を真正面から受け止め、自責の部分をしっかりと反省し次にどのよう に活かしていくのかを明示することがなによりも必要であったと思います。これからも多くの困難 が待ち受けているかと思いますが、今回の件をバネにしつつ、今後も自分たちの悪かった点を清く 認める姿勢があれば、結果支持は拡大すると考えております。」
「我が党の提案等がなければ当初の与党案がそのまま通過していたことを考えれば、我が党が Pragmatismの観点から少しでも改革を前進させたことは、大きな功績。」
「地方からスタートして間もない日本維新の会が、0を1にする難しさ(政策活動費ルール無しのところへルールを作った)を勝ち取ったことは素晴らしいと思います。」
「ゼロよりも一定妥協してでも成果を取るという、党としての現実的姿勢は筋が通っており、そのような責任野党を歯を食いしばってでも作ることが、日本の為である。」
「10年後の領収書公開は国民の皆さまに分かりにくい。しかし、説明会後に政策活動費の支出廃止を打ち出せた事はとてもよかった。」
といった前向きな評価もいただきました。
もちろん苦言も多々ございました。
「騙されたと言われていたが、相手は自民党なのでもう少し慎重に行動していただきたかった。」
「国民目線からして議員特権と思われることに関しては廃止も視野に入れるくらいの切り込みがないと維新としての存在感を示せない。」
「物事を進める上で必要な譲歩というよりも、物事を急ぎすぎた妥協と国民の目から映るものが多かったように思う。」
「だまされたと主張するのも市民の方にとっては政治家としての力量不足を感じさせるようであまりイメージはよくなかった。」
とのご意見もありました。
また、党勢に与える影響については、
「国民からの見え方は意識しないと、特に改革を訴える政党としてはその雰囲気づくりは重要なので、自民も嫌、立憲も嫌という層の期待を受けることは難しいと感じます」
というご指摘も受けました。
真剣に維新の今後を考えてくださった集合知
アンケート結果を受けて、多くの評価、苦言、提言をいただきました。特に自由記述の中で多くの皆様からいただいたご意見は、我々が直面している問題に対する危機感を共有していただいていることを強く感じました。
的外れと感じたものや根底から否定するご意見はほとんどなく、皆さんが真剣に党の将来、そして党の活動を通じて国民に納得していただける改革を実現しようという前向きな熱意が伝わってきました。
我が党は国会議員と地方議員が対等な仲間であり、ガチンコで議論できる風通しの良い環境を作っていくことこそ、地方分権・国民本位の政治を志す党の原点を体現することだと考えています。年功や国・地方の序列や慣習で組織が硬直している与党とは違います。
説明会に込めた思い
ここで一つご紹介しておきたい言葉があります。組織行動学の専門家が重視しているのが「心理的安全性」です。自分の気持ちや意見を率直に安心して言い合える状態にしておくことで、問題点をいち早く共有し、解決への道筋を作ることができます。風通しの良さに裏打ちされた侃侃諤諤の議論こそが、結果として組織を強くすることができます。企業でも政党でも本質は同じです。
そして最も重要なのは、ベンチャー政党だからこそ結束が生命線ということです。
戦う組織は「陣形」が問われます。鶴翼、魚鱗、方円…昔の合戦ではさまざまな陣形がありましたが、必勝の型はありません。刻々と変化する相手の動き、戦局に合わせて最適な陣形に変化させて戦うことができるかは、日頃のコミュニケーションを密にし、お互いを認め合うことで、チームが信頼し合えるかどうかが重要です。
「古えの所謂善く戦う者は、勝ち易きに勝つ者なり」……孫子がこう述べたように、古今東西、「勝つべくして勝つ」組織は、人目を引く派手なファインプレーだけを称賛するのではなく、その裏に隠れがちな地味なサポートの積み重ね、用意周到な事前準備や面倒な情報収集など、当たり前のことを当たり前にやっています。民意を肌で感じ、中長期的な視野に立って改革を実現するために、全員が持ち場でできることを徹底できる組織を目指したいと思います。
幸い、アンケートでは8割以上の方から、今後もこのような説明会(意見交換会)を開いてほしいとのお声をいただきました。今後も党の活動に対するご意見を交わし、活発な提案を出し合う機会を作っていきたいと思います。早ければ今秋にも総選挙が取り沙汰されています。目の前の難局、そしてその先にある日本大改革を実現するための本番とも言える戦いに向け、皆さんと共に、私自身も汗をかいていく所存です。共に日本を前へ進めていくべく、引き続きご協力をお願い申し上げます。
日本維新の会 幹事長 藤田文武
※このブログは、党公式「維新ジャーナル」からの転載です。